SFA(解決志向アプローチ)のキャリアコンサルティングへの活用(6時間)


◆SFAとは
 SFAは、「Solution Focused Approach」の頭文字で、アメリカのBFTC(Brief Family Therapy Center)で研究され、Steve de Shazer(スティーヴ・ド・シェイザー)Insoo Kim Berg(インスー・キム・バーグ)を中心に開発されたカウンセリング(心理療法)の理論です。

家族療法にルーツを持つ短期療法であるブリーフセラピーの1つであり、日本では、「解決志向アプローチ」「解決志向ブリーフセラピー」とも呼ばれています。

このアプローチは、多数の面接ビデオを分析して、解決に有効であった介入要素を抽出し、体系化して生まれました。

 

◆本講習の目的

TBMでは、キャリアカウンセリングのプロセスとして、下図の「面接プロセスのフレームワーク」をベースとしていますが、SFAは、このフレームワークのあらするステップに対応できる各種技法があります。

本講習では、SFAのそれらの各種技法について、グループでの意見交換や実際のロールプレイを通して学び、実際のキャリアコンサルティングにおいて活用が出来るようになることを目指します。

 

◆SFAの特徴
SFAは従来の心理療法諸派とは異なり、原因の追究をせず、問題解決(Problem solving)ではなく、解決構築(Solution building)に焦点を当てていく点が大きな特徴です。

相談者とともに今の問題が解決した時の姿を明確に、より具体的にイメージしていきます。原因を探ることに時間を費やすのではなく、解決した時について語ってもらう事に時間を費やし、本来相談者自身が持っている解決すための資源(リソース)を探していきます。

SFAには基本のルールがあり、それは次の3つです!

 

①もし、うまくいっているのなら、変えようとするな
②もし、一度やって、うまくいったなら、またそれをせよ
③もし、うまくいっていないのであれば違うことをせよ

 

とにかく、問題や原因にはこだわらず、ひたすらに解決方法を探っていくやり方なのです。

 

申込はこちらから⇒「特定技法の活用」全講習ご案内ページへ

 

<面接プロセスのフレームワーク>

【参考】「信頼関係構築」/「真の問題の把握」/「問題への適切な対処」

開始のアプローチである「信頼関係構築」のステップは、「このキャリアコンサルタントは、自分の身になって聴いてくれる人だ、味方だ。」と相談者に感じてもらうことです。

キャリアコンサルタントだけが理解すればいいのではなく、理解したことを適切に相談者に伝え、相談者に「このキャリアコンサルタントは私のことを分かってくれた」とやり取りの中から感じてもらうことも重要であり、そういったアプローチを行うことにより関係は深まっていきます。

 

次のステップは「真の問題把握」です。継続して理解したことを伝え、それが本当に正しいのかどうかを明確にしていくことで、真の問題が見えてくることになります。相談者の「主観的事実」に対して、「自己理解は十分か?」「仕事理解は十分か?」また本講習のテーマである「認知の歪みがあるのではないか?」等の外的な問題、内的な問題両面について分析をしながら進めていくことになります。

 

そして次が「問題への適切な対処」のステップです。

このステップは、フレームワークの流れである「目標⇒適切な戦略構築⇒対処する力⇒価値を提供する力」の順に進めていきます。最初の「目標」のポイントは、「相談者と共有できる目標は何か?」ということです。一度決めたら確定ではなく、仮の目標として今後も修正することもあると捉えて進めていきます。目標を達成するためには、「具体的にどのように取り組んでいくのか?」というHowの部分が必要であり、そこが戦略構築(シナリオの策定)になります。戦略構築においての重要なポイントは、やはり一度作ったら終わりではない、ということです。相談者は絶えず心理的な動きや深さがあり、それを感じ取ることです。ケースにもよりますが、スモールステップで、PCDAのサイクルを回しながら、修正、再計画、実行を何度も進めていく意識が大切です。

 

「信頼関係構築」はTBM更新講習「①カウンセリング基礎技法と信頼関係構築「真の問題解決」「問題への適切な対処」については、TBM更新講習「②真の問題把握と問題解決でワークショップとロールプレイを通して詳しく学ぶことができます。まだ受講されていない方は是非ご検討ください。

 

<SFAのキャリアコンサルティングへの活用 カリキュラム概要(6時間)>

◆本講習の特徴

・本講習では、SFAの全体を俯瞰するために、まずは、SFA理論の特徴と主要となる6つの技法(コンプリメント/ゴール(解決像)づくりの質問/例外探しの質問/スケーリング・クエスチョン/ミラクル・クエスチョン/コーピング・クエスチョン)の概要について解説し、全体像をつかんでもらいます。

・また「面接プロセスのフレームワーク」を見ながら、「面接導入」「面接中期」「面接後期」のプロセスごとのSFA活用方法を解説します。

・面接導入のインテーク面接においては、SFA理論の「3つのタイプ」を基準に、「相談者の望みにどう取り組むか」を見立てていきます。この「3つのタイプ」の考え方の理解と、その考えを前提としたロールプレイを通して、インテ―む面接におけるアセスメント方法を学びます。

・面接中期、面接後期においても、あらゆるSFA技法を活用することができるため、プロセスに沿ってグループでの意見交換やSFA技法を活用したロールプレイを実践することにより、理解を深めていきます。

・上記の様々なアプローチを通して、今後のキャリアコンサルティング活動の幅を広げる一助となることを目指します。


<SFAのキャリアコンサルティングへの活用 テキスト内容>

 

I.キャリアコンサルティングの進め方の体系的理解
1.キャリアコンサルティングの流れ
(1)キャリア形成の6ステップ
(2)キャリアコンサルティングを行うための留意点
(3)よりよい面接の基本的態度、技法について
2.面接のプロセスについて
II.SFAの理論
1.SFAとは
2.SFAの特徴
3.SFAの主な技法
(1)コンプリメント
(2)ゴール(解決像)づくりの質問
(3)例外探しの質問
(4)スケーリング・クエスチョン
(5)ミラクル・クエスチョン
(6)コーピング・クエスチョン
III.キャリアコンサルティングの面接におけるSFAの活用
1.インテーク面談
(1)カスタマー・タイプ
(2)コンプレイナント・タイプ
(3)ビジター・タイプ
2.関係を構築する力
3.真の問題を把握する力
4.目標の共有
5.方策の実行(問題への適切な対処)
IV.本講習のカリキュラム概要とロールプレイについて
 


受講いただく上でのお願い


◆受講いただく上での事前準備のお願い

・当日の講習をより効率的で充実したものとするために、受講日の「14日前」になりましたら、「テキスト(PDF版)」をメールにて送信します(なお、「テキスト」の送信により、席の最終確定となりご返金等はできなくなりますので、ご了承ください。)。

受講日迄に参考資料として読んでおいていただくと、ワークショップでの議論も、より円滑に進むと思いますので、ご一読のほど、お願いいたします(当日ご持参ください。)。

・テキスト内には、当日演じていただく、相談者のプロフィールを女性、男性どちらでも対応可能な事例を「2事例」記載しています。必ずその部分も確認し、当日実施できるようにしておいてください。

 

◆受講修了証の交付についてのご注意

・厚労省からの指導により、『遅刻、早退がなく、実施時間6時間全てに出席すること』が、「受講修了証」(6時間分)交付の前提となりますので、遅刻早退でも受講自体は可能ですが、「6時間」に満たない場合は、「受講修了証」の交付ができません。不足時間だけの補講等はありませんので、当会の「受講修了証」の交付を受けるためには、再度、同金額の受講料で受講していただくことになります。十分にご認識、ご了解の上、受講申込をしていただくよう、お願いします。

・受講修了証交付の際、登録番号の確認をしていただき、受領完了の手続きを取りますので、必ず「登録証」をご持参ください。後日、再発行のご依頼は、理由を問わず、発行手数料がかかってしまいますのでご注意ください。

 

その他、受講申込の前に「受講規約」を必ずご一読いただき、ご承諾いただけましたら、下記よりお申込ください。「特定技法の活用」全講習ご案内ページへ